放浪息子読んでて思い出した

中学生になった頃のことだろうか。
「自分は女に変身してしまうんじゃないか」と思った時期があった。


ガリガリの実の骸骨人間な僕だが、
運動系の部活に入ったことで少し筋肉が付き始めた。
そのとき胸に筋肉が付いたことで、肉に厚みができたのだ。
本当に少しだけなのだが、今までと比べると確実に膨らんでいた。
そして同じ頃、二次性徴によるものなのか知らないが、
乳首にしこりができ、痛みを感じるようになった。
自分の身体にはいったい何が起こっているのか、と大変不思議に思ったものだ。


そして何故だか知らないが、
「このまま自分の身体は女になってしまうのではないか」という考えに行き着いた。
流石に本気でそう思ってはいなかったと思うが。
しかし発想の飛躍が我ながらありえないと思う。
邪気眼的な妄想癖があったのも、そんな発想に至った原因なのかもしれない。


僕は二鳥くんのような美少年ではないので、
「このままの顔で女になったらブスだろうなー、なりたくないなー」
「もし女になったら顔つきも変わってくれるんだろうか?」
「スカートってどんな履き心地なのだろう?」などといったことを考えていた。


書いてて思ったが、当時の僕には隠された女性化願望でもあったのだろうか?
僕は自分のことが結構嫌いだけど、別の人間になりたいとは思わない。
少なくとも今は。
当時はどうだったのだろう。思い出せない。