ロボット残党兵 1巻

書店で見かけて何やら気になったので買ってみた。
歴史のパラレルものってのは何故か心が躍るね。
僕は大戦時の勢力図や様子については詳しく無いのだけど、
設定を聞いているだけでなにやら興奮してくる。

簡単なあらすじ

第二次大戦中、敗戦の色が濃厚となった日本は、
極秘に開発していた「ロボット兵器」の導入に踏み切る。
その「ロボット兵器」とは、全身を機械へと改造され、兵器と化した人間であった。
そして日本の「ロボット兵器」導入を皮切りに、世界各国でもその研究開発が加速。
戦争は「戦車と戦闘機」から「ロボット兵器」の時代へと変化していく……
ロボット兵器である“三船”
ロボット兵器開発者“高橋”
この二人の視点を中心とした、史実とは異なる世界大戦の記録。

ダサカッコいいロボットが、仮想の大戦で大活躍!


上の絵を見て何かを感じたならば読んでみよう!
ダサい感じだけど妙にカッコいい、そんなロボが好きな人にオススメする。
あとは、旧独軍マッドサイエンティストだの、
日本軍の秘密警察だとかスパイだとか、そういう設定が好きな人にもオススメ。





ここからは無駄に難しく考えてしまった僕の駄文。

機械化しても人間は人間でいられるのか

この漫画を読んで面白いと思ったのは、
機械化人間(作中でのロボット兵器の呼称)という存在の扱われ方だ。
当然機械なのだから、食事もできない、睡眠も電源を落とすというだけ。
腕や足が千切れたとしても痛みも何も感じない。
しかし、彼らは元は人間であり、脳も一部は残っている。
人間時の記憶もあるので、悲しんだり喜んだりすることはできる。
だから、日本軍の機械化人間は、ロボットになっても人間であろうとしているのだ。
彼らはいつもその鋼鉄の身体の上から、軍服を纏っている。
さらに、人間であった頃の行動ができるようにと、意味の無い食事機能までついている。
だが、その機能の付いていないもの達は精神が不安定になったり、
気性が荒くなってしまうという。
彼らの見た目はブリキのおもちゃのようで、人間とはかけ離れたものだが、
行動は常に人間であろうとし、そこからは外れられない。
だが、彼らの外面。機械の身体は凶悪だ。
戦車をアメのようにねじ切るという腕力もそうだが、
背中からガスを噴出し、周りを焼き尽くすというその攻撃方法は、
人間ならば自爆である。彼らだからこそ生還できる攻撃法だ。
それを見ていると彼らは人間として扱われていないことを感じて悲しくなる。
だが、国のため、家族のために全てを捨てた彼らに対して同情は無用なのかもしれない。
人間は身体が変わってしまっても、人間でしかいられない。
しかし、それを完全に元のままに、保っていることは難しそうだ。